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持続可能な社会とエネルギー

油田 淑子氏 toshiko aburada
(公社)全国消費生活相談員協会参与/シニアライフ・アドバイザー

今春、中国で新型コロナウイルス感染症が発生した事は聞いたが、欧州や日本にも蔓延するとは予想せずに渡欧し、2月4日帰国。日本では外国客船内での感染で大騒ぎ、更に国内感染が続き、店頭からマスク、アルコール、トイレットペーパーなどが消えたのを見て、1973年の第1次オイルショック時の苦い経験を思い出した。

1973年4月、桜満開の福岡から、真冬には-15℃になる高地の高山市に転勤した。
到着した翌朝は雪景色。慌ててストーブを探し出し、ご近所の好意で灯油を入手し、暖を取ることが出来た。秋を迎えた頃、中東戦争が勃発。第1次オイルショックで、石油供給制限と値上げが始まり、全国に激震が走った。ガソリン・灯油、トイレットペーパーなどが店頭から消え、売り惜しみ、便乗値上げなどで、灯油や必需品不足に苦労した。

名古屋への転居後、再び第2次オイルショックを体験し、エネルギー、環境などの勉強を始めた。その後、30年前ETTメンバーに加わり、エネルギーに関する勉強を続けた。当初はエネルギー不足が懸念され、サマータイム制導入も検討したが、石油供給も安定、原子力や高効率発電でエネルギー逼迫は鈍化した。その後、予期せぬ原子力発電所事故、津波などで問題は深刻化した。 

2015年環境エネルギーなど17の課題解決を目標とするSDGsの国連決議を日本も賛同。2年前頃、政治家やサラリーマンのスーツのSDGsのバッジを見て、生産者も消費者も手を携えて課題解決に取り組む時だと感じ活動を始めた。

所属するジェンダーや消費者問題に取り組む組織で、昨年、「市民のSDGs理解度と行動」を調査した。その結果、温暖化や自然災害の多発はエネルギーの多消費等に関連すると認識し、エシカル消費活動に取り組む若い学生たちも増えたことが分かり、嬉しかった。

現在、地球温暖化や災害多発の中で、エネルギーに関わる課題は多い。持続可能な社会を目指して、偏りの無い判断と責任ある行動を続けたいと思っている。

(2020年9月)

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