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大分空港が宇宙港へ!?

松村 紅実子氏 kumiko matsumura
オフィス計都代表/フリーアナウンサー/Think オーレ!主宰

コロナと豪雨災害で昨年秋のエネルギーツアーと講演会は断念した。
県外の交流もはばかれる中、ある新聞記事に釘付けになった。
大分県が米国の企業と連携し、大分空港を「水平型宇宙港」として小型衛星打ち上げの拠点とするというのだ。県先端技術挑戦室の堀氏の「地元で燃料や部品を調達すればビジネスチャンスが生まれる」の言葉にコロナ恐怖も吹っ飛んだ。
きっかけは宇宙飛行士の山崎直子さんの講演だと聞き、神津カンナ代表との対談を思い出し、さらに身近に感じ、まさに天(宇宙)まで昇る気分になった。

昭和39年の富士航空機炎上事故で国東半島への移転となった大分空港は、3,000m級の滑走路を持つ。アジア初のパートナーシップを締結した「VirginOrbit」社の運用機体が離発着できる長さをクリア。そしてなにより大分県発展のレガシーとなった臨海工業地帯の石油化学コンビナート企業や自動車、精密機械産業などの多彩な歴史ある地域産業の存在が強みとなった。加えてクライアントや投資家の来県の際に活用できる温泉や世界農業遺産の国東半島を始めとする豊富な観光資源。一方アジア太平洋大学(APU)などの若者の活躍や宇宙ビジネスなど・・・宇宙港を核とした経済循環の構築を目指す故郷を再認識することにもなった。

1月には米国でNASAの衛星10基を搭載した2回目の空中発射実験に成功、2022年には英国に続き、日本、大分からの最初の打ち上げが予定されている。
2月に打ち上げに成功したNASAの火星探査機「パーセヴェランス」は、ビール樽ほどの大きさの小さな原子力電池に、史上初米国産プルトニウムだけを動力源としているという。
足元を見ると、大分コンビナートにおける副生水素発生量は全国推計値の3割を占めるほど多量だが低純度のためその活用法の研究が進められ「水素社会」の実現化を目指す。日本一豊富な地熱発電や温泉熱の直接の調達は無いにせよ、ローカルなエネルギーがやがてこの宇宙港の「一翼」を担うことになるのかと考えると、憎きコロナ由来の太陽コロナの「冠」をなんとしてでも手に入れねばと想いを馳せる日々だ。

(2021年3月)

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