私はこう思う!

INDEX

地球温暖化を感じる夏

重川 早由利氏 sayuri shigekawa
えひめエネルギーの会代表/消費生活アドバイザー

瀬戸内海は、夏になると夕凪と言って海風から陸風へ切り替わるとき無風状態になり、風が吹かなくなるので本当に暑いが、私たちは「瀬戸の夕凪」と称して親しんできた。

しかしここ数年は、朝から30℃を超える真夏日が続き暑さの度合いが変わってきた。今年は、松山でも8月4日には、最高気温が36.1℃に達し、熱中症警戒アラートが出る暑い日が続いた。

この原稿を書いている8月12日には、九州を中心に大雨になり、四国も一日中雨が降った。今後も前線は、日本付近に停滞するため、西日本から北日本の広範囲に強い雨が予想され、土砂災害、河川の増水・氾濫などに対する警戒情報が出た。まさに温暖化を感じる夏である。

地球温暖化の原因は、二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」とされている。2015年に、「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」で合意されたパリ協定は、温室効果ガス削減に関する国際的な取り決めで、各国が温暖化ガス排出削減目標を設定することとなっている。

日本は2019年6月「パリ協定に基づく成長戦略」として、早い時期に脱炭素社会を実現し、2050年までに温室効果ガスを80%削減することを掲げていた。更に2020年10月には、菅首相が所信表明演説で「我が国は2050年までに、温室効果ガスを全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指す」と宣言した。非常に高い目標である。

宣言後、「カーボンニュートラル」への取り組みは産業界でも活発になっており、私が所属する会の例会で、電力会社の「カーボンニュートラルへの挑戦」について、説明を受けた。電源の低炭素化・脱炭素化のため『再生可能エネルギーの主力電源化、原子力の最大活用、火力発電の高効率化の導入』が骨子となっている。出席者は説明の後、意見交換会を行い地球温暖化対策は、日常の生活の中で、一人ひとりが取り組めることもたくさんあると再認識した。

今年の8月に公表された、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、「温暖化の原因が人間の活動によるものであることは疑う余地がない」と断定しており、衝撃を受けた。私たちの取り組みをもっと真剣なものに、と心を新たにした。

(2021年8月)

ページトップへ