私はこう思う!

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もっとエネルギー問題を自分事として考えてほしい!

柴田 博子氏 hiroko shibata
(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 顧問

2016年4月に電力、2017年4月にガスの供給契約が家庭向けにも自由化され、消費者は契約先を自由に選択できるようになりました。やっと落ち着いたと思われた昨今、一部の消費者は契約先の撤退や廃業、料金の高騰等、多くの試練にさらされています。
新しく電力やガス事業に参入した会社の説明の中では、リスクやデメリットについての説明が少なかったのかもしれません。
少し前までは、どんどん電気を使って、どんどん生活を快適にしなさいと電力会社からも家電メーカーからもアプローチされ続けてきたように思います。エコポイントが発行されたとき、「環境に配慮するために、節電をしましょう。」と言われました。しかし、当時は、家庭内の家電を省エネタイプに買い換えて消費する電力をすくなくしましょうというもののように思えていて、電気を使わない節電ではなかったような印象を持っていました。使っている家電をゴミとして出すことと省エネ家電に買い替えることを天秤にかけて迷ったりもしました。
そして今回、SDGsが世界中で提唱され、地球温暖化を進めないために、CO2の排出量を少なくしましょうという様々な取り組みがなされています。さらに、最近はウクライナ戦争により全世界でエネルギー問題が喫緊の課題として浮上しています。日常生活だけではなく、産業を維持するためにもエネルギー問題は大変重要だということを再認識いたしました。これだけいろいろなところで、エネルギーについての議論がなされていても、残念ながら、まだまだ、なんとかなるだろうという無関心な消費者がたくさんいます。その中においても、将来を担う子供たちには、日本のエネルギーの現状と節電の大切さ、リサイクルの仕組み、環境を守ることの意義等々について、教育現場で取り上げられるようになり、ちょっと心強く感じています。
今まで、消費者は、振り返りをあまりしてこなかったし、いささか自分本位すぎたような気もしています。少しでもエネルギー事情を考えた行動ができるよう心掛けていただける消費者が増えることを祈ります。

(2022年8月)

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