私はこう思う!

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林田 スマ氏 suma hayashida
フリーアナウンサー/公益財団法人大野城まどかぴあ館長

新型コロナウィルス感染症収束の兆しは遠く、テレビニュースから繰り返し流れるロシアのウクライナ侵攻の惨状も重なり、このところ暗澹たる気持ちに包まれることが多い。世界の様々な出来事が私たちの暮らしに想像以上の影響を与え、エネルギー分野においても喫緊の課題を抱えることになった。

このような中、私たちは生活者としてエネルギー問題を我が事に引き寄せて考えなければならない。世界の気候変動への危機感から2050年のカーボンニュートラルに向けての加速が感じられるものの、温室効果ガスの約8割を占めるというエネルギー分野においては産業界だけではなく総力をあげて取り組まなければならない。次世代に向けての教育を含め全ての世代でエネルギーリテラシーの向上が求められる。

エネルギー資源を海外に依存している日本では、再生可能エネルギーの導入などについての技術開発を含めさまざまな選択肢が複雑化しており、新しい情報へのキャッチアップも必要だ。

直近の福岡県だよりに「“CO2フリー水素” で持続可能な未来へ、北九州市響灘で実証実験スタート」という文字が躍っていた。昨年、福岡県は国から「地域バイオコミュニティ」と認定され、産学官連携の強化が進み、洋上風力発電や「CO2フリー水素」の製造・供給拠点化に取り組むという動きが加速している。水素社会への取り組みが進む福岡県での動きに大きな期待が膨らんでいるという。

子どもたち向けにも興味深いことがあった。先日4歳の孫が、「パウ・パトロール」というカナダ制作の幼児向けテレビアニメを観ながら「パウ・パトロールはすごいよ。ふうりょくはつでんのハネがこわれてテイデンになったの。パウ・パトロールがしゅつどうしてハネのしゅうりをしたら、デンキがついたんだ」と興奮していた。子どもたちのアニメにも停電や風力発電の話があり、「くるくるくるくるリサイクル」を決めゼリフにしているキャラクターやドローンのデリバリーなど次世代型の暮らしが繰り広げられている。

私たちも社会的課題解決に向けての推進力になるために、ETTの学びや活動の広がりがますます求められる。

(2022年5月)

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