私はこう思う!

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ポストコロナに向けて

田中 三恵子氏 mieko tanaka
熊本消費者協会理事/熊本県消費者団体連絡協議会代表

この時期、肥後六花の一つである一重で大輪の肥後椿が咲き始め、メジロが花から花に移り、蜜を吸う姿に癒される。

地球規模では温暖化による異常気象の頻度が増していることに脅威を覚える。1月にインドではヒマラヤの氷河が溶け、洪水による多くの死者がでた。一方日本では毎年のように豪雨災害が発生し、5年前の地震から復興途中の熊本に昨年7月65名の死者を出す豪雨災害をもたらした。球磨川の氾濫で道路や鉄道は今でも一部不通である。

国は「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」を宣言した。今後2030年までの中間目標や2050年までのロードマップが示されれば私たち消費者の行動の指標にもなる。

すでに私の家の周辺には、太陽光発電、蓄電池を備えたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が次々に建ち、新しい時代の到来を感じている。

EV(電気自動車)はそれまでのEVより走行距離が長くなり、隣県に住む娘の家まで途中の充電なく行ける事で我が家も2年前に購入した。充電時間や充電スポットの数もそれほど気にならず電費も安い。ただし、走行中は排ガスなしのゼロエミッションだがEVも電気使用でCO2を排出する。生産から廃棄までのLCA(ライフサイクルアセスメント)を考えると走行が10万km以上でないとCO2の実質削減にならないと聞いた。利用者にとって環境汚染やエネルギー消費を考える上でLCAの情報を知って消費行動をすることは大切である。もちろん電源構成によってCO2発生に差はある。電源はできるだけCO2を排出しないクリーンなエネルギーであって欲しい。

カーボンニュートラルにむけ消費者にも省エネ、再エネの促進や食品ロスの削減、廃棄物削減など身近に取り組める事はたくさんある。

私は第一次オイルショックのころから消費者問題そして環境問題に関わり活動してきた。コロナ禍での活動制限で得たものもある。また、振り返りの時間もあった。時代が変革する中、不足する情報を伝えるのも私たちの役割と考える。次世代に負の遺産を残さないよう仲間との活動につなげたい。

(2021年2月)

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