私はこう思う!

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原子力発電の必要性を冷静に考えるべし

伊藤 優子氏 yuko ito
新居浜市市議会議員

現代を生きる私たちの生活は、電気製品の進化により昔と比べて大変便利なものになりました。一方で、日本は世界第5位のエネルギー消費国でありながら、エネルギー自給率はとても低く、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼ってきました。そのような中、エネルギーで自立できる国を目指して原子力発電を推進してきた結果、いわゆる安全神話というものが生まれたのではないかと思っています。私たちも原子力を推進する理由そのことを理解し、安全だと信じてもきましたが、2011年3月に起きた東日本大震災により福島第一原子力発電所は大きな事故を起こしました。

冒頭でも書きましたが、我々日本人は、エアコンや冷蔵庫、空気清浄器やテレビなど、何から何まで電気に頼る生活を享受してきました。技術はさらに進歩し、多くの省エネ商品を生み出すことで省エネを進めてきましたが、今更、大幅な省エネを実現するために、便利になった生活の質を落とすような、電気を使わないような生活に戻る事は出来ないと思います。また、原子力発電に代わるエネルギーとして、太陽光発電、風力発電、地熱発電、メタンハイドレードや水素エネルギーなど様々なエネルギーにも期待が寄せられているようですが、まだまだ、コストや安定性などの面で課題があるとも言われます。原子力発電は、福島第一原子力発電所の事故により国民の多くから否定されるようになりました。しかし、それでも私は、原子力発電の必要性については、今一度、冷静になって考えるべきだと思っています。

9月15日に日本列島に上陸し多くの被害をもたらした台風18号や、アメリカに上陸したハリケーンイルマは、何か以前のものとは違い、威力を増しているように思います。地球温暖化の影響によるものかどうかは分かりませんが、想定外の災害が日常的に起こっている現状を見ると無関係とも思えません。現段階で、原子力発電に代わる安全で安定的、経済的で化石燃料を使わない発電方法がない以上、想定外も含めた安全対策を十分行い、原子力発電を稼働させるしかないと考えます。ただし、国は早急に国民に対して、安心と信頼を構築するためのより具体的な指針を出すことが必要不可欠であると思っています。

(2017年10月末)

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