私はこう思う!

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農業の現場から

吉冨 崇子氏 takako yoshitomi
山口県地域消費者団体連絡協議会会長

私は新米の農業委員です。この任を受けて半年。右も左もわからないままスタートしました。農業委員の役目はいろいろありますが主に農地の転用に関する事案に、いま関わっています。

転用は、申請が出るとその地域を担当する農業委員、農地利用最適化推進員が一緒に、現地調査をします。水田を転用する場合、水路の問題があります。周辺の水田に対する影響の有無や近隣の了解が得られているのかどうかなど、聞き取りしながら調査します。転用には、環境など様々な課題を含んでいますが、その結果を受けて、3回の会議を経て認可されることになります。

この調査でわかったことは、山口市全体で転用により太陽光発電設置が増えていることでした。担い手の高齢・減少により農地の集積、法人化が推進される一方で、安定的な収入の得られる太陽光へと大きくシフトしているように思えます。一カ所で設置が始まると次々と周辺に及ぶケースもあります。相続により県外居住の農地所有者も多く、県外業者の開発も多く見られます。設置する場合、問合せ先等を表示するようにはなっていますが維持管理・危機管理の点で地元には不安があります。

国は再生可能エネルギー、太陽光発電の目標比率を掲げていますが、農業にも深くかかわっており、一概に推進することには問題があります。

今、食料自給率は39%で横ばい状態、しかも関税撤廃の動きもあり、輸入品が安く入ってくる状況です。一方生産者の努力もあり農産物の輸出も増えています。生業としての農業も可能になるのではないでしょうか。資源のない日本が農業で打って出るチャンスかもしれません。

農業の現場を知り、改めてエネルギーについて考える良い機会となりました。

(2019年1月末)

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