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エコでなくなったのでは?太陽光発電

高松 美恵子氏 mieko takamatsu
元「新聞女性ジャーナル社」代表取締役

私が住む団地には田舎の小学校の校庭ぐらいの広場があり、その続きに藤棚があって、大きなテーブル程の厚い木製の腰かけが並び、ここは真夏のかんかん照りの日も広場を吹き抜けて来る風を涼しく受けて住人の憩う場所になっている。昨夏「ここにいると冷房の電気代が節約できるし体にも良い」と一人の老人が言ったことから「原子力発電の休止で夏が心配と言っていたが、この暑さ続きにも停電は無い。原子力発電は止めて自然エネルギーを増やせばいい」と皆の意見が一致した。話仲間から外れていた私に、隣にいた男性が言った。「もちろんあなたも原子力発電には反対でしょう?」と。

こういう大方の声に、九州では約80社が太陽光発電による電力への参入を考え広い土地を求めているとのことだった。九州は日中の太陽の照射時間が長く冬でも太陽が照れば電力が得られる。ソーラーパネルの設置には理想的なところとして買収や借地の打診をされているのは、大分県の由布岳のなだらかに広がった牧草地や、熊本、宮崎、鹿児島、大分各県の豊かな広がりを見せる観光地。

景観が損なわれるという地元や自治体の反対は当然で、県も人手が不要なパネルの設置では多人数の雇用につながる得も無く、土地を貸しても入ってくる貸料は僅かということで積極的には動かない。加えて九州電力が「今までのような電力の買い取りを辞める。発電所からの送電線の増強工事費用は再エネ事業者の負担になる」と発表し、民間からは横浜市の事例として「ついの家と決めて建てたわが家のすぐ横に建設された太陽光発電のパネルからの反射が眩しくサングラスが必要になった。室温が52度を超える熱さになった」などと想定外の訴訟も公表されて先に進めなくなっている様子。

全国の休耕田を借りて太陽光発電をと考えた大手の会社も建設を断念してしまった。

思い返すと過去に起こった原子力発電の事故は、避けることができた人為的ミスによるものが殆どだった。それを反省し、パネルの設置よりエネルギーミックスに原子力を加える、それが日本には最も適したエネルギーの確保になるのではないだろうか。

(2016年2月末)

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