私はこう思う!

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温暖化に思う

石窪 奈穂美氏 nahomi ishikubo
消費生活アドバイザー

「今年の夏は暑かった!」ー2016年7月の世界の平均気温は、米海洋大気局の分析によると観測史上最も高かったという。月別の平均気温は15ヶ月連続の記録更新、温室効果ガス排出による地球温暖化の影響が出ているとみられる。九州・山口も記録的な暑さで猛暑日が続いた。私自身も体温を超える暑さに唯々我慢の夏を過ごした。

対する東日本では台風、豪雨による甚大な被害が相次ぐなど、日本国内でも異常気象が顕著になってきている。台風も勢力が増しており、この先自然の猛威におびえる時代を自分たち自身で作り出してきたかと思うと、ささやかながらも日々の暮らしの見直しを改めて真剣に考えている。

真剣に考えるといえば、世界レベルでも温暖化防止へ向けて「パリ協定」の発効が目前となっている。温暖化問題は待ったなし、「総論賛成各論反対」 というわけにもいかないところまで来ており、国益をかけた交渉のなか「各論歩み寄り」の方向に向かっているということか。各国とも削減目標が掲げられているが、興味があるのはむしろ基準年。「なぜ、この年?」との問いかけを繰り返して、それぞれの国のエネルギー事情を考えるのには良い題材である。一筋縄ではいかない国際交渉の真の裏側は計り知れないが、緩和策(排出抑制案)をはじめ、少しでも温暖化への対策強化が進むことを願っている。また、削減目標に向けた日本の革新的な対策は?今後も気になるところである。

ところで、私は大学で消費者教育の講義をしているが、食の安心・安全、商品・サービスの問題と同じように重要な問題として、環境・エネルギー問題についても情報提供し考えてもらっている。どの問題においても、グローカルな視点 (地球規模で考えて足元から行動する)や定性・定量の考え方、リスクの捉え方など消費者として必要な視点は変わらない。バランス感覚をもって多面的にものを見る力をつける契機として、温暖化問題も一緒に考えてみようと思っている。

(2016年10月末)

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