一昨年3.11の震災に続く福島原子力発電所の事故以来、世論は原子力に関して否定的な方向に動いているように思われる。
私は第一次石油ショック以降代替エネルギー、取り分け原子力発電について学び考察し、目で見肌で感じて現場も多く視察見学して来た。医療をはじめ、農工業、そして食品や器具、日用品などの滅菌消毒としての放射線照射なども学んだ。身の回りの放射線の測定もした。昨年の暮れに能代風力、秋田火力と発電所を見学し、現在の状況を聞いた。通常、風力発電は一基一億から三億円の設置価格で、耐久年数はおよそ20年と言われているが、その後は産業廃棄物になる。そして風が吹かねば回らないし吹きすぎても止まる。火力発電の方は燃料費の高騰で採算割れの状況だそうである。
また、スマートグリットなど新しいシステムでの都市計画も進んでいるが、日本列島津々浦々に可能なものではない。
この冬私の住む弘前市は大雪に見舞われた。毎日の雪かきや暖房のための石油代は大変な苦痛である。
とまあ私事はさて置き、惜しむらくは原子力に携わった日本の技術力である。
これからは二次災害を念頭に置いての更なる技術、開発、安全性を見定めて原子力発電所の再開を考えたらいかがなものであろう。
中国からの大気汚染の報もある。CO2、地球温暖化、もしかしたら以前にも増して雪の多かった弘前もその影響ではないかと考えたりしている。桜の開花が早まったり遅れたり、真夏の高温でリンゴに異常な影があったりした。
地球がどうなるのだろうと小学生が空を見上げる。
青森には原子力関連の施設が3カ所ある。中でもサイクル施設はこれからの日本にとってとても大切な役割をもっていると思う。冷静にアカデミックに原子力を考えていきたい。
(2013 年3 月末)