私はこう思う!

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太陽に寿命はある?

芦野 英子氏 eiko ashino
エッセイスト

量子科学技術研究開発機構は六ヶ所村の核融合研究所に、核融合原子炉で用いる耐久性の極めて高い材料の開発を行なう「核融合中性子源」を建設し材料開発以外にも医療など他産業や学業研究を目的に進めていく旨の新聞発表をした。(2018年9月2日)

私は2017年、同研究所に研修視察をした。外国からの研究者も数名いて、熱心にモニター画面を見つめていた。研究の内容やそれに伴って産出されるリチウム電池の生産などを伺った。

私は文系の人間で、今更の量子学の知識など理解しきれるものではないが、核融合のエネルギーへの考察には興味を持った。以前に太陽エネルギーが核融合だとは学んだ。その太陽が1秒間に428万トン軽くなりながら人類が1年間に使うエネルギーの72万倍のエネルギーを100億年出しつづけていると説明されて驚いている。

ということは、いづれ太陽エネルギーが0になる時が来るということなのか。それはいつ?などと考えてとても関心が深まった。たしか2008年頃「太陽がおかしい」という朝日新聞の記事を見た。太陽の黒点を観察している研究者の発表であった。

「太陽が元気がない」「地球の寒冷化の恐れがある」という記事だった。そして「今世紀は温暖化に向かう」と結論づけていた。

今まさにその現象にあると思う。この夏の災害をもたらした異常気象や、これからも起こるであろう高温多雨。大きな不安につつまれている。宇宙の開発やロケットの打ち上げなどは影響はないのだろうか。

核融合の研究は人工的に太陽のエネルギーを造り出す研究でもある。三方海に囲まれた青森県は海水から水素を取り出すに充分な地域でもある。私は太陽に尊敬の念を抱きつつ、そのエネルギーに害なきよう、地球の温暖化を少しでもとどめるべく生活したいと思う。

(2018年10月)

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