私はこう思う!

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「電力自由化」問題を学んだ主婦

和田 英子氏 hideko wada
消費生活専門相談員

私は仙台市に有る、高齢者問題を学び、自主的に勉強会を行っている「Eネット」というグループに属している。昨年暮れ、打合会をしているおりにこんな話がでた。「最近、家の電話に、聞いたことの無い会社から『来年4月から電力の契約が自由化されますよ、我社と契約してもらうと、今よりずっと電気料金が安くなりますよ』という電話がかかってくるの。数社から、しかも名前も聞いた事がない業者なの。電気をどこから持ってくるのかしら。詳しく聞こうと思ったら『お宅に伺います』と言うので断ったの」という。よく聞いてみると、会員のほとんどが電話勧誘を受けていた。しかし内容がよくわからない、と話題になったので、勉強会を開くことにし、東北電力に講師をお願いした。

勉強会当日は、ほとんどの会員が、自宅の検針時に発行される「電気ご使用量のお知らせ」の用紙を持参しており、記載内容の説明を受けると、口々に「電力自由化より、自分が利用している電力の使用内容を理解していないことがわかった」「今迄、すべて電力会社にお任せで過ごしてきたことに気が付いた」などの発言が出た。

しかし今回、電力小売り全面自由化と、それに伴う法律改正で、「利用者側が自分の生活に合った購入先を選び利用する」という改革が進められて、皆、戸惑いを感じてしまったようだし、今更だが改めて「電力がどのように発電され安定供給されるのか」、仕組みを聞いた。

特に宮城県は、先の宮城県沖地震と、5年前の津波を伴った大地震を経験、寒さと暗闇の中での生活の怖さを十二分に経験し、電気の無い生活の辛さは骨身にしみている。確かに現在、契約社会に身をおいている我々は、自由に必要品を選べる社会に生活しているが、電力が選べますと言われても、各社・各プランのメリット・デメリットがよくわからない。結局勉強会の結論は、「自由化はスタートしたけれど、自分の生活にあった料金プランを選ぶのはこれから」との話になった。「頑張れ~主婦!」であった。

(2016年7月末)

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