私はこう思う!

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節電が必要だった昨年の夏に思いを馳せて

藤井 宣惠氏 norie fujii
えひめエネルギーの会代表

えひめエネルギーの会では、エネルギーや地球環境問題について学んできました。学んでいくうちに、会員から「次世代にも伝えていきたい」という声があがり、夏休みを利用して、児童クラブ(学童保育)の子供たちに「移動エコ教室」を開催しています。昨年のエコ教室で出会った子どもたちには少し驚かされました。節電は大切だと言うのです。

私は、地球に生きる限り、地球の限りあるエネルギー資源を大切に使うことや無駄を省くことは必要なことだと思うし、それは日本の子どもだけではなく、地球上のすべての人に伝えていかなければならないことだと思って活動してきました。でも、昨年の「節電の夏」は違っていました。節電は、地球環境のためではなく、生活必需だったのです。

安定した電力は現代社会には必要であり、資源の乏しい我が国にあって、化石燃料のみに頼るのではなく、再生可能エネルギーを含めた様々なエネルギーのベストミックスが大切であると思います。原子力については、制御や管理が難しく危険性をもつものですが、人類の英知や技術で安全に平和利用していけるものであると理解しています。近畿大学の原子力研究所で、1Wの実験炉を運転実習した時、「人が原子力を管理し、原子力を安全に利用できる」と確信することができました。福島第一原子力発電所の事故はあってはならないものであると思いますが、それだけに、ここで得られた知見を他の原子力発電所で積極的に活用し、より安全な稼働を行うことにより、安定したエネルギー供給が実現していくことを願っています。また、もっと多くの人がエネルギー事情について関心を持つと共に、国には、日本で暮らす人たちが安心して豊かな生活をおくれるようなエネルギー政策を行ってくれることを望みます。「電気と情報は街づくりの接着剤」なので。

(2013 年1 月末)

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