私はこう思う!

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新潟に行ってきました

芦野 英子氏 eiko ashino
エッセイスト

現在電力の主力は火力発電で中でも天然ガスに依る所が大きい。その天然ガスの生産、輸送、供給を知るために「帝石パイプライン株式会社」を訪ねた。一通り施設を見学し説明を聞いたあとに「INPEX MUSEUM」に案内された。太古からの恵みである資源とそれが私達の社会にとどくまでのストーリーをジオラマとプロジェクトマッピングで辿る一大映像絵巻が目に入ってきた。これはみごとだと思った。小学生も訪れるというに、充分な理解が可能だと思った。恐竜が生き、そして死に絶えた太古の地球、その長い年月の地球の成り立ち、壮大なロマンをたどりつつ、今存在する資源、時空を超えて天然ガスと人類のつながりを描く物語に、私は大いに感動した。そして軽々しく消費できないと思った。

翌日は柏崎刈羽原子力発電所を訪ねた。新潟県中越沖地震や東北地方太平洋沖地震を踏まえて、今の現状をつぶさに訪ねた。津波による浸水を防ぐための処置に更に15mの防潮堤の建設や、敷地が浸水しても原子炉建屋の中には浸水しないように、防潮壁、防潮板を設置、配管貫通部の止水処理などの説明があった。福島第一原子力発電所の事故にならって様々な考察、施行があり、これは、昨年、一昨年私たちがみて来た、川内、浜岡と同様大規模なものであった。そしていずれもそこで働いている人達の意識や行動が何よりも大切であるとの認識であった。オフサイトの強化支援、情報の公開、今日より明日の安全レベルを高めることに努めるという事であった。

鹿児島川内は再稼働したものの、柏崎刈羽、浜岡、いずれの原子力発電所も巨費を投じて安全対策を講じているのに再稼働されていない。原子力発電所が止まってもちゃんと電気来てるじゃない。と私の周囲でも声がきこえている。しかし、地球温暖化や工業的に使用する電力などを考えると、それで良いのかと思わざるを得ない。ここで一考すべき時だと思う。

(2019年10月)

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